Ｐ学生プロフィール　第87回　花散里くん（福岡県）

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Personal Data

「４月から一般読者して、今、Ｐ学の恐ろしさが分かりました。がーん…。」

　1990（平成２）年９月20日（475回）に『涼香嬢』というPNで入学した花散里くんは、この日のひろばにてＰ学の印象をこう述べている。当時の紙面はQD（九州同盟）の盟主だった夜霧君（鹿児島県）が引退し、迦楼羅君（福岡県）がその座を引き継いでいた。しかしその頃の彼女は本州侵攻の加担をせず、むしろQDに対抗する側として迦楼羅君やオロスカ君・ひょ〜たんつぎ君（共に福岡県）たちと戦っていた。

　なお1990年11月８日（482回）に入学した勇者君（福岡県）と、1991（平成３）年４月25日（505回）に入学した南国少年パプワ君（入学当時のPNは『こけっこー』・福岡県）の２人は、彼女の弟である。

　1991年８月29日（523回）に『花散里』と改名。それまで地道な投稿活動が続いていたが、９月26日（527回）に初のオリジナルパズル『犯人はだれだ？』が掲載された。では、早速挑戦してみよう。

「バキッ！１年中ボケてる人は放っとくぞ。あっ、ボケッとしてたら生徒手帳を盗まれたの!!どうも博士と一緒だと…。」 「なんだなんだ!?ボケッとしてるヤツはドケ!!」（博士） 「なにさ。犯人は博士でしょ。まあ、証言をもとに犯人を当ててね。この中にいるから。あ、証言が当てになる人が２人・ならない人が２人だから。」 「ウッチェ〜。いつも片づけが出来んくせに。」（博士） ※正解は最後にて。

　以後DDでも回答が載り続けるようになるが、時折スランプに悩まされる事もあったようだ。1992（平成４）年２月13日（546回）のひろばでは「このころ、何に対してもスランプというか、やる気がなかったんですが、頑張ってDDしているうちに、わりと調子を取り戻せたみたい。」と、その思いを打ち明けていた。
　その一方で『91'Ｐ学生めいぼ』の制作に着手し、B6版29ページの規模の名簿となった。1991年に在学していた全国のＰ学生の名簿をリストアップしたものであるが、500人以上もいてビックリしてたとか。うんうん、分かるよ。調べるのってホント苦労するからね。
　そして４月９日（554回）には同窓会九州支部長に就任し、２年間この役職に就いた。同窓会の開催だけでなく、Ｐ学本の『Make Merry』・『KOI通信』・九州名簿『僕の夏休み日記』も発行するなど積極的な活動を行っていた。

　HRでは、３月19日（551回）から地元・北九州市の方言を交えたセリフが載るようになった。こちらも紹介していこう。なお、分かりにくいものだけ標準語訳をつけている。

　そして５月７日（558回）、後醍醐天皇（大阪府）と対立していた劉義邦帝君（以下、邦帝君・茨城県）に対し、「邦帝ちゃんをイジメるやつは許さんけねッ。」と邦帝君の肩を持つようになった。その後積極的にラブコールを送った事で、２人の仲は一気に深まっていく。

	更に５月28日（561回）のDDにて、花散里くんは【浜風に／白きカーテン／ひるがえり／群青の海／遠く輝く】の短歌ネタで初のごほうび賞を獲得する。実は５月14日（559回）の紙面にて『DD名歌（詩）傑作選』が掲載された事もあり、「私（Ｐ学外で）短歌作りようけど、脱帽！もんやね。ごりっぱ娘さん（東京都）を超えられるか…」と、６月４日（562回）のひろばにてこう感想を述べていた。 　その後も花散里くんの短歌・俳句ネタのDD回答が掲載されたが、その一部を紹介しよう。
561回問題図
	【涙目の／春霞となり／おぼろ月】 ちなみにこの時のごほうび賞は、私・稲川の【夜になっても、右上の昼は寝ようとしません】である。４年ぶり３度目の獲得だったから、長かったぜ（苦笑）。
562回問題図
	【春過ぎて／夏来にけらし／白たへの／衣干すてふ／あ！魔の影山】 百人一首にも採り入れられた、持統天皇が詠んだ短歌。下の句をもじって締めくくるところが良い（笑）。
564回問題図
	【雪原の／仮屋の窓に／つらら垂れ／闇に広がる／オーロラを待つ】
593回問題図

　邦帝君との仲が深まっていき、９月３日（575回）には「あのね。私３ヵ月なんやけど。」と、花散里くんが邦帝君の子を宿している事を打ち明ける。この懐妊告白により、邦帝君の息子が10月８日（579回）に花散里くんのお腹の中から出席（？）する場面も見られた。10月１日（578回）に２度目のパズルとなる『暗号短歌メッセージ』を出題するが、こちらも挑戦していただきたい。

「元気かい／みんなでパズろう／アキれずに……てなわけで、パズルぞッ。博士もハズレるなよッ。もう、夏ボケの季節じゃないぜ!!あっオールシーズンでズレとるか。」 「ワッチはアレてない・カレてない・ズレてない・ダレてない……。」（博士） 「数字の羅魔流じゃない羅列を、ヒントを解読すると短歌が出てくるんやけど、その短歌にメッセージが組み込まれとうと。博士は解かんでいいとよ、メッセージに関係ないけん。」 「解かんといかんケンども、どないしょ。アカンわ〜。」（博士） 　もうひとつのヒントとして、邦帝君へのメッセージとも受け取れるな（笑）。

　12月10日（588回）、ついに花散里くんは邦帝君の間に出来た子供を産み、翌週の12月17日（589回）に邦帝君によって『皇叔（こうしゅく）』と名付けられた。このまま一家睦まじく過ごせると思いきや、邦帝君は12月31日の大忘年会をもって引退宣言してしまう。邦帝君は「もう思い残すことはありません。ただ、愛する人と子供の件が心配です。」と、花散里くんや皇叔君を気遣う場面も見られた。

　悲しみに打ちひしがれる事なく、花散里くんは1993（平成５）年１月28日（594回）に「よし決〜めたっ。私も会長立候補しよっと♪」と、８代目会長選挙への出馬を宣言する。この時の対抗馬には、ようせい社の社長くん（以下、よう社くん・岐阜県）・青柳ういろう君（当時のPNは『ういろう雷帝』・以下、ういろう君・広島県）・後醍醐天皇（大阪府）と有名常連が出馬した事で大激戦となった。
　選挙活動には彼女の弟である勇者君も「おらおらーッ、花散里に投票しないとぶっ殺すぞ!!」と、応援に加勢していた。開票の結果、よう社くんが31票でトップ当選となったが、花散里くんの得票数はういろう君・後醍醐天皇と並ぶ次点票の24票と凄まじい選挙戦だったと言えよう。

	そして３月11日（600回）、花散里くんは【裸の王様の座布団です】の回答で、２度目のごほうび賞を獲得した。この記念すべき回になんと120答の回答を送り、その中にはもちろん短歌ネタ【見上ぐれば／優しき空よ／白雲に／乗るを夢見し／遠き思い出】も含まれている。
600回問題図

　４月以降は特急君（香川県）や渡空燕丸くん（後の★★★★・以下、燕丸くん・愛媛県）と対立する事もあったが、QDに加入しない状態で攻撃を仕掛けていた。その後、後醍醐天皇率いるＰ学軍の九州侵攻にも対抗する事になった。５月20日（609回）には、生徒会役員『困ったときのハート頼み委員長』に就任する。

	６月10日（612回）に２度目のDD出題を行うが、この時の冒頭は皇叔君をネタにするセリフがあったのは言うまでもない。どんなものだったかと言うと…？ 「ほっほっほ。今回は心して答えるが良い。」（花散里くん） 「やつのセガレは、どこに捨てられたんだ？」（ういろう君） 「うわさによれば、曲馬団に売り飛ばされたとか。」（Mr.Mr.君・愛知県） 「これで九州の女王を気取ってんだから、困ったもんだ。」（Ｄ万隆龍（中村主水）君・東京都） 　更に問題図が1985（昭和60）年９月５日（222回）と似たデザインだった事もあり、【８年間で太ってしまった222回の問題図だな】（ハンマー百ｔ君・東京都）という回答もあった。
612回問題図

　これにより７月１日（615回）のHRでは、「てめーッ、よくもオレを曲馬団に売り飛ばしやがったな!!」と皇叔君からの怒りを買い、邦帝君も「そうか、余の優しさが足りなかったのかも。」と嘆いていた。「１歳にもなってないのに喋れたのか？」というツッコミは…しないでおこうか（笑）。

　そして『Ｐ学園生徒手帳・1993年度版』の作成に着手しただけでなく、ひろばで募集した『Ｐ学応援歌』の歌詞も投稿する。花散里くんの他に８人のＰ学生からの投稿もあったが、８月19日（622回）に発表された投票結果で、花散里くんの歌詞が選ばれた。その歌詞は以下の通り。
『ペンと銃を手に取りて　嵐の紙面を駆け抜ける　ドトウの声も高らかに　今日も天地を揺るがさん』

そして作曲に関しては、樹里くん（東京都）・佐比くん（兵庫県）・降己くん（後の飛☆降己・大阪府）の３人の作品が９月９日（625回）に掲載され、９月30日（628回）の投票結果発表で、降己くんの作品が採用となった。 （楽譜画像をクリックすると、MIDI音源で再生するよ。）

　実は花散里くんは、ひろばの紙面にて一度だけ毒吐きした事があった。それは８月26日（623回）のひろばにて、彼女が募らせていた不満を以下のようにぶちまけている。
「てめえら、最近考え違いしてねえか？なれあいになってるんだよ。ひろばで何の反省も批判もないまま自分の好きなようにセリフを書く。型にはまらない、面白いセリフを書く努力をしたらどうなんだ。ハガキを出せば載る、と言うことに甘えているんじゃないよ。無個性な輩の集団なんて、飾りにもならんぞ。」

　この意見に対し、キグナス君（滋賀県）は「花散里くんの意見は全く正しいんだけど、最近は反省や批判を書いてもなかなかひろばに載せてもらえない事情もあるんだ。」と述べている。実際多くハガキが寄せられるがゆえに全ては載らないし、特集記事を載せてしまえば尚更だった編集部の事情が垣間見えた。「でも、自己規制しないようにね。」と、編集部からのメッセージもあったけど…。

	９月16日（626回）のDDで、【双眼鏡の作り方。望遠鏡をヒラキにしろ！】・【それともペアラーメン製造のベルトコンベアー工場かな？】の２答で３度目のごほうび賞を獲得する。 　実はこの回をもって、花散里くんは引退宣言をしてしまう。DDの最後に「秋風の／そよ吹き来ぬ／学び舎（や）で／笑みさわやか／別れ告げまし」と短歌で締めくくり、生徒連絡帳には「私を子持ちの未亡人にしてくれてありがとう。花が散るように去ります。」と引退宣言文を残した。
626回問題図

　この引退宣言に、多くのＰ学生から引退を惜しむ声が寄せられた。
「ずるっ子だぞ、花ちゃん。」（よう社くん）
「ごほうび賞で引退だなんて…。」（渚飛都くん・兵庫県）
「最後の短歌も良かったです。」（夏みかんくん・神奈川県）
「秋の日に／笑みさわやかに／学園を／去りゆく友よ／また会う日まで」（右京くん・大阪府）
「またいつでも戻ってきてください。」（キグナス君）
「僕も引退したら惜しまれるようなヤツになりたい」（ハンサム君・福岡県）

　ところが1994（平成６）年３月10日（648回）に復帰。DDでは博士に、「ただいま〜♪あれ、この人だれだっけ？」と言った事で博士から「退場！」と突っ込まれた。更に復帰と同時に９代目会長選挙に出馬し、会長の座を虎視眈々と狙う。

	３月31日（651回）に３度目のDD出題は、冒頭から「花散里さん。お帰りなさ〜い。」と復帰を歓迎する声が寄せられた中で、以下のようなやりとりで始まった（一部抜粋）。 「ほっほっほ。今年度の締めくくりが私でうれしいでしょ？」（花散里くん） 「子供は元気なの？」（樹里くん） 「彼女こそ、日本で唯一のバツイチ高校生で〜す。」（ういろう君） 【この花が散る時、私の命は……ボトッ。」（九尾狸君・東京都） 【副岡のぜんざいには、こんなベタベタモチが入ってるのか？】（飛影くん・兵庫県） 【『鼻汁砂糖』でつくったんだけど。】（山田君・鹿児島県）
651回問題図

　そして４月７日（652回）に行われた９代目生徒会長の結果は…MARくん（愛知県）と並ぶ15マイナス１票の実質14票で並ぶも、燕丸くんが当選した為リベンジマッチは果たせなかった。この時、同じ北九州パズラーである影の声君（福岡県）が「ああ悲しい！」と嘆きの声を上げていたのである。

	その後の紙面では目立った活躍はなく、５月26日（659回）の投稿を最後に引退宣言することなく姿を消してしまう。 　この日のDDでは【２匹目のドジョウはいなくとも、２個目の『棚ボタ』はある！】と同時に【初夏（はつなつ）の／白き浜辺に／たたずめば／さよなら告げる／潮騒の声】と定番となった短歌ネタが載り、そのまま別れのメッセージになってしまったのである。
659回問題図

　その後は2003（平成15）年から２年間『ドルードル学園』に参加し、PNも『ちりこ』と改名して投稿していた。元々紙面外でも短歌を詠む事がある花散里くんが、ごりっぱ娘くんの影響もあってかDDに時折短歌ネタを載せる職人ぶりを発揮する姿は流石と言ったところか。更にHRでも賑わせた事もあり、記憶に残る福岡県パズラーの一人となったのは言うまでもなかろう。

　え？今回87回目ゆえに『ハナ（87）』と語呂合わせになるから、花散里くんにしたのかって？それは偶然だよ（笑）。

【犯人はだれだ？】正解…花散里くん本人。花散里くんと博士の証言が当てにならない（フッ、狂言なのさ）。
【暗号短歌メッセージ】正解…ヒントの『花の…』の『…』は『色は』であり、数字を『いろは順』にあてはめると「あさがおの／いろづいたはな／しおれぬまに／ておりておくれや／るろうのきみに」という短歌になる。この短歌の各句の頭の文字をつなげるとメッセージは『あいしてる』となる。

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