Ｐ学生プロフィール　第９回　キグナス君（滋賀県）

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『熱く燃えろ！激しく笑え!!』

　これは今回紹介するキグナス君がＰ学で掲載した標語である。その標語の通りDD・HRでは人一倍に情熱を燃やし、DK（男女交際派）のリーダー・４代目生徒会長・２代目Ｐ学祭実行委員長と数多く手腕を振るった。彼の情熱に満ち溢れた生き様がどんなものだったのか、早速紹介していこう。

　1987（昭和62）年６月18日（312回）に入学。この回に彼と共に入学したのはハンマー百ｔ君（以下、百ｔ君・東京都）であり、奇しくも彼のすぐ隣にキグナス君のセリフが掲載された。しかし入学当初は休学・復活を繰り返し、本格的に復活したのは1988（昭和63）年１月７日（338回）であった。
　そして当時HRで繰り広げられていたHDK（反男女交際派）・DK戦争にDKとして参戦し、カタリン君（後のかたりん・東京都）や百ｔ君と戦うようになる。特にカタリン君との戦いはこの年から２年ほど続き、Ｐ学史において語り草となったのは有名である（以下、赤文字はキグナス君・青文字はカタリン君・緑文字は百ｔ君）。

　６月２日（359回）にはHDK討伐＆男女交際支援委員長に就任。DKの中心人物として戦うようになり、この為彼の周辺では多くの女子Ｐ学生からの声援・ラブコールを受けるようになる。こうした状態に鳳凰君から「キグナスよ、あまり新人を甘やかすなよ。つけあがるからな。」と忠告される一幕もあった。

　実はHDKやカタリン君を扱き下ろすネタはパズルまでにも及んだ。その中で1988（昭和63）年３月18日（348回）と12月22日（388回）にキグナス君が出題した『暗号パズル』がそれである。では、この２つのパズルに挑んでみよう。

【348回　暗号パズル・左】 「DK派の皆さん、大事な話を聞いて下さい。先日、僕がHDKの下っぱを捕まえて調べたところ、彼のポケットからこんな手紙が出てきました。どうやらこれは硬派屋がHDK全員にあてた暗号の密書らしく、まったくわけの分からない文章になってます。 　しかし、解読のキーは多分、最後の行にあるようです。これを解読されると、HDKは致命的な打撃を受けそうなので、頑張って解読して下さい。ほれカタリン！読んでおどろくなよッ。」 【388回　暗号パズル・右】 「暮れの忙しい時だというのに、血迷ったカタリンが挑戦状が届いた。対決の時と場所を指定しているらしいが、例によってない知恵をしぼって暗号にしてある。 　そして、最後の１行には、何やら永久に不可能なことを書いてるってわけだ。この暗号を解いて、カタリンが返り討ちになるのを見に来てくれ。」 （解答は最後にて）

　1989（平成元）年１月19日（391回）、年明けて間もないこの頃に４代目生徒会長選に出馬を宣言する。この時の他の立候補者は影慶君（埼玉県）・阿修羅王君（京都府）・間下きひろくん（奈良県）・名門の貴公子君（以下、名公君・東京都）と私・稲川などがいた。そして選挙の結果２位を10票以上引き離しての当選となり、５月11日（406回）に晴れて４代目生徒会長に就任する。

　就任草々、キグナス君はHDKのメンバーからリコールを受ける羽目になるが、７月13日（415回）には金・恋くん（栃木県）が彼とのスキャンダルを告白したことにより彼の周辺は大騒ぎとなった。更にこの時期、夜霧君率いるQD（九州同盟）の近畿侵攻・名公君のリコール運動もあった為、まさに四面楚歌の状況の中でキグナス君は屈することなく強気の姿勢を貫き通した（以下、ピンク文字は金・恋くん・紫文字は夜霧君）。

1989　７・13（415回）	「重大告白します!!私、月300円もらって、現会長の愛人をしてました……うっうっ。」 「キグナス会長の支持率、1%未満!!」（AHO共同体君・愛媛県） 「さあ現会長をやめさせ、再選挙をしよう！」 「カタリンよ、オレがＰ学にいる限り、貴様の好きにはさせん！」
８・10（419回）	「会長さん！すべての女と手を切ってくれなきゃ、今までのことを全部マスコミにバラしちゃいますわよっっ。」 「会長の再選挙は１か月後と決定しました！」 「フッ、オレにもプライドがあるんでな。どっかの総理と一緒にされては黙ってらんないぜ!!」
	当時総理大臣だった宇野宗佑が、女性問題で辞任。奇しくもキグナス君と同じ滋賀県の出身だった。
９・７（423回）	「うっうっ、私って何て不幸な女なのかしら。いいわよっっ。週刊誌の人に全部話しちゃうからぁ。」 「いい加減にしろ！オレはこの件で同窓会や文通面でも大迷惑してんだぞ!!」 この回は金・恋くんのDD出題回。 「ごほうび賞はキグナス君にしてくれなきゃ、今度こそ本当に左ヒジ切っちゃいます！」と泣き言を言った為、キグナス君の【天狗の鼻ははめ込み式だった】に選ばれた。
９・28（426回）	「さあ、会長に恨みのある人たち、QDと一緒に滋賀を攻めよう！」 「フッ。井の中の蛙、大海を知らずってやつだな。」
	夜霧君率いるQDが滋賀県の侵攻を表明した回。
12・21（438回）	「かつての夜霧いわく、『見よ、このHDKの団結力を！』。それで逃げだしてりゃ世話ないな。」 「皆さん、キグナス会長は生徒会費から私用に金を使っていたそーです。」 「つまり汚職ですね。」（夕霧君・鹿児島県）

　その苦労が功を奏したのか、この年に初めて設立したＰ学功労賞の受賞者となる。1990（平成２）年に入ってからも、1989年10月から３ヵ月休学していたかたりん君（1990年１月11日（440回）から彼はPNを『かたりん』と改名）とHRで争い続けた。

1990　１・18(441回)	「あれ？キグナスはまだ会長を辞任してないのか？」 「皆さん、今こそ汚職会長を退治する時です。打倒滋賀！QDと協力しよう!!」 「オレが公費を私用だって？なら聞くが、お前はいつ生徒会費払った？」
２・１（443回）	「皆さん、まもなく汚職会長が来ます。汚職病がうつらないよう避難しましょう！」 「夜霧よ。滋賀が落ちるまで、オレもQDに協力するぜ。」 「けっ！こいつ、またのこのこ出てきたのか？てっきり夜逃げでもしたのかと思ってたぜ。」
	かたりん君がキグナス君に初めてケンカを売ったセリフを、この回でキグナス君がそっくりそのまま返す一幕があった。
２・８（444回）	「こいつはまた『縁起のいい回』に採用してくれたもんだぜ。」 「ついに来たか。『死人』番号！」 「そーかいそーかい。出来ればこんな記念日に剣を握りたくなかったんだが……。」 【キグナス様ご安心を！HDKの口はバンソーコーでふさぎましたから】（ミカエルくん・広島県） 「けっ、汚職会長なんて今日のDDは縁起が悪いぜ。」 「皆さん、これが『野次り』の悪い例です。」（Mr.Mr.君・愛知県） 「やっぱりいい人は違うなぁ。」 【キグナスが袋から生徒会費を使おうとしていま〜す。でも10円玉１個！】（鈴鹿君・埼玉県） 「フッ。目立てん犬ほどよくほえるってな。」 「えらそうなことを言ってないで、NDKを何とかしろっ。NDKを！」 キグナス君４回目のDD出題の冒頭にて。この時期、DK派は『KDK（硬派男女交際派）』と『NDK（軟派男女交際派）』に分裂していた。

　３月29日（450回）の会長任期満了後、第２回Ｐ学祭実行委員長に就任する。この回はキグナス君の他に、てんま☆たきくん（宮城県）・藤のの乃くん（茨城県）・河川零くん（以下、零くん・大阪府）をスタッフに迎え、Ｐ学生からの意見を集めることから始まった。
　そして10月25日（480回）から２週に渡って、第２回Ｐ学祭は『より激しく　より知的に』をテーマに開催された。主な内容は次の通りである。

　そしてアンケート集計の結果、DDの白黒反転DDパスルは好評を得たものの、第１週目のHRに行われた東西障害物大決戦はつまらなかったという意見が多かった。当時アンケート集計を担当した藤のの乃くんはひろばで次のように述べている。

「全体的に皆さんが言いたかったのは『パワー不足』のようです。その原因の１つに『いつもと変わらない』がありました。ひろば・DD・HRという形式にテーマをつけたのみ。しかも都合上、レイアウトを変えることが出来なかった…改善したいことの１つですね。
　ともかくＰ学祭は、生徒がつくる生徒のお祭り。皆さん次第で良くも悪くもなります。来年は１人１人が実行委員の気分で、今年以上のものを作りましょう。」

　そしてＰ学祭実行委員長として活躍したキグナス君は、この年のＰ学功労賞を２年連続で受賞。実は２年連続でこの賞を受賞したのは彼ただ１人だけである。
　またHRでは、４月に引退したかたりん君に代わって百ｔ君がキグナス君を本格的に攻撃する。11月８日（482回）からオズの真帆くん（以下、真帆くん）・ナレーター君（後のNR）・潮木潮君（以下、潮木君・ともに滋賀県）による滋賀内乱が勃発。もちろんキグナス君もこの内乱に加わり、後に淀びわ子くん（以下、淀くん・大阪府）・零くんも介入する程の騒ぎまでに発展した（以下、青文字は潮木君・ピンク文字は真帆くん）。

　1991（平成３）年３月30日、大阪で開催された『パズラー学園ザ・談会』に出席。歴代生徒会長（ただし、２代目のKKK君を除く。）と90年目立ち屋大賞受賞者の江戸川みーめくん（大阪府）と共にしとう学園長を交えてのＰ学話で盛り上がった。また同時に行われた関西同窓会の席上で、副会長に指名された。（ちなみにこの時の生徒会長は私・稲川である。）その為、HRでは滋賀内乱の中心メンバーからリコールを受ける羽目になった。

　1992（平成４）年に入ってからは一時休学もあったが、２月に復帰する。しかし５月14日（559回）から大学受験の為本格的な休学に入った。そして見事京都大学に合格し、1993（平成５）年４月22日（606回）に完全復帰。復帰直後の５月20日（609回）には７回目のDD出題をして周囲を大いに驚かせた。
　ちなみに百ｔ君からはDDでの冒頭では「へん、オレが怖くて１年も逃げてたヤツがよく言うぜ。」と煽っていたが、ひろばでは「永遠のライバル、キグナス君の復活。うれしいぜ。それと大学合格おめでとう。」と復帰を祝福していた。
　実はこの復活劇にはこんなエピソードが残っている。この年の名古屋同窓会に出席したキグナス君は、同じ参加者の傭兵オグマ君（愛知県）から、「復活したらすぐに問題図出ると思う。」と言われたが本当にその通りとなったのである。

　更にキグナス君が通う大学には悪魔神官くん（大阪府）もいた事で、「キグナス君をいじめちゃダメよッ、彼も京都の学生なんだから。」と彼をかばう一幕もあった。６月３日（611回）のひろばでは「おれと百ｔ君が同じ1987年６月18日（312回）入学の同期生だというのはわりと有名な話ですが、何と悪魔神官くんも同じ日に入学していました。この日に入学したＰ学生はしぶといぞ。」と、悪魔神官くんとのエピソードを語っている。

　この年のHRでは、後醍醐天皇（大阪府）率いるＰ学軍が全国各地を荒らしまわっていた。これを見たキグナス君は７月15日（617回）に「生徒会の首脳陣がこうも情けないから、オレが腰を上げなきゃいけないんだよ。」と、猛虎女帝くん・天空神君（ともに京都府）と手を組んでＰ学軍に宣戦布告。この直後天空神君は天空神教の内部崩壊によって彼らから離脱してしまうが、ベテラン常連コンビパワーを見せつけてＰ学軍や当時生徒会長だったようせい社の社長くん（岐阜県）を攻撃していった。

　1994（平成６）年２月10日（644回）、青柳ういろう君（広島県）が『二十歳過ぎれば皆老人』をキャッチコピーに老人会を旗揚げし、大学生以上のパズラーを無理矢理加入させようとしていた。キグナス君もまたその対象者の一人であったが、「老人と自称する者、人を老人と蔑む者、どちらも敵ではないッ。」と加入を拒否。そして３月24日（650回）の投稿を最後に、Ｐ学を去った。
　その後は同窓会に顔を出すのみであり、激しい情熱を持っていた入学時とは対照的に、非常に静かな最後となったのである。

　ここで彼のエピソードをもう１つ。実はキグナス君とかたりん君の戦いは、私が昔書いた小説『Ｐ学大戦II』にて決着を着けている。最初は私自身で書いてみようかと考えていたが、やはり本人のイメージ通りに書いてもらうのが一番いいと思いキグナス君に依頼した。当時大学受験で休学中であったにもかかわらず快諾してくれて、送られて来た原稿用紙にびっしりと書かれた戦闘シーンを見て「さすがだ！」と感激したのを今でも覚えている。
　ちなみに戦いの決着は互いの力を出し合った末、キグナス君が彼自身の策略でかたりん君を倒している。詳しい内容を知りたいって？誠に申し訳ないけど小説自体の再販の予定はもうないので、ご容赦あれ。

　受験で忙しい中ホントにありがとね、キグナス君。やっぱ本人のイメージ通りじゃないと書けないシーンだったしね。

【348回暗号パズル解答】…『愛飢え男』は『アイウエオ』の意味であり、それぞれ一つ上（前）の文字で読む。なお、『あ』は『ん』となる。
これに基づいて読んでいくと、『反男女交は　本日をもって　解散とする』
【388回暗号パズル解答】…『キグナス、キサマを消す！』とあるように、文中の『キ』『グ』『ナ』『ス』の４文字を消していくと、『ミョウチョウゴジ　コウテイニテマツ（明朝５時　校庭にて待つ）』

※…2020（令和２）年６月10日に追記編集あり。HRでのやりとりと、暗号パズルを追加した。

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